ずっと、やさしくして大丈夫です。
かつて、私はあるカウンセラー養成の大学院で教員をしていました。そこで臨床心理学者の駒込勝利先生と出会いました。
この先生はいつも「症状はその人にとって大切なものです。簡単にとってしまってよいはずがありません」と言っておられました。
その言葉は、医師である私にとっては、とても意外でした。
「症状をとってほしいから患者さんは診察に来られているのでは?」と不思議に思っていましたが、カウンセリングを学ぶうちに、先生の言葉の意味が少しずつわかってきました。
目に見える「子どもの問題」を、すぐに取り去らないといけないやっかいなものと思わないこと。
代わりに、この「問題」はこの子が一所懸命あみだした大切な対処法なのかもしれないと思って向き合うこと。
たとえば、だらけているだけ、さぼっているだけに見えたとしても、そのような方法で「NO」を伝えようとしているのかもしれません。
私は、子どもの「問題行動」をすべて受け入れなさいと言っているわけではないのです。
「この行動は、この子にとって何か意味があるかもしれない」と、いつも心のどこかで思っておいたほうがいいと言いたいのです。
それは、子どもの大切なSOSかもしれないからです。
(田中茂樹『子どもが幸せになることば』「親からみて間違ったことを主張してきたとき・・・ 言いがちなことば「いやそれは間違っている。そして理由は……」→信じることば「自分の意見を言えるのはいいことだ」」より。pp.87-88.)

